こちらも古文からの引用が多い談話内容となります。注意すべきは,文章と異なり,「じゃ」「ござる」「たり」など過去の助動詞部分にクローズアップした短い引用が多いということです。これらは指文字で表すことになりますが,指文字のあとにすぐ次の手話単語を続けて表現していくと,引用であることがわからなくなってしまいます。引用であることを強調するために指文字は前後の手話単語に比べてゆっくりにすること,指文字のあとに少しポーズととること,うなずきのNMを入れることなどがポイントです。
また,ここでは助動詞の歴史的変化「たり」→「たる」→「た」が室町時代に定着したという流れが,空間的に見てわかるような手話表現にする必要があります。