「専門用語が難しい」というのは学術手話通訳者の間でよく言われることですが,人文・社会科学系の学問分野では,日常的にもよく耳にするような単語で一見して専門用語とは気づかないけれど,実は専門用語だったというようなことがよくあります。こうした専門用語を一般的な談話の文脈の中で意味をとらえようとすると,そこで語られている学問的な議論を正確につかめないまま誤訳してしまったり,1つの用語として認識されない訳出となってしまいます。この場面では,「特別活動」「総合的な学習の時間」「教科道徳」「学級経営」などが,そうした専門用語の例としてあげられます。事前準備の段階で表面的な読みやすさ,わかりやすさに油断することなく,しっかり調べて専門用語の定義を理解しておくようにしてください。